隕石衝突

巨大隕石衝突はあるか?

 1994年7月、木星の潮汐力により約20個に分裂したシューメーカー・レビー第9彗星が木星に衝突しましたね。このような現象は1000年に一度といわれるほどめずらしいもので、莫大なエネルギーを放出するものですが、地上からの望遠鏡で簡単に観測できるとはほとんど考えられていませんでした。ところが、予想をはるかにこえ、地球規模にも達するような大きな衝突痕がたくさん発生して、世界中の人々をおどろかせたものです。

 

 私も当時、20cmシュミットカセグレン望遠鏡ではっきりと見ることができびっくりしたものです。月を望遠鏡でながめるとたくさんのクレーターが見えます。太陽系形成の初期には、もっともっとひんぱんに隕石衝突があちこちの天体で起こっていたんだろうなあと思ってしまいます。

人類が滅びても大丈夫!?

 約6500万年前の巨大隕石の衝突でこの地球上に君臨していた恐竜が絶滅したといわれています。でも、そのおかげで当時は少数派だった哺乳類が生き残り、進化を遂げて人類が誕生したと考えられています。もし、この巨大隕石の衝突がなかったら今の人類の繁栄はなかったのかもしれません。どうやら最近の研究では、時々起こる巨大隕石の衝突が新たなる生物進化をうながして、地球上に多様な生物種をつくりだしてきたらしいのです。そうすると、巨大隕石の衝突や地球環境の破壊、あるいは核戦争などで人類がもし絶滅しても大丈夫ですね・・・それが新たなる生物進化の引き金になって、地球はやがて再び生命に満ちあふれた惑星になっていくでしょう。そして今の人類とは違った新しい知的生命体が出現していくのでしょう。

すごい力の地球文明!

 でも、今の人類の繁栄をつづけていきたいなら、巨大隕石の衝突や核戦争を避ける努力、そして地球の自然環境を守っていくことが必要でしょう。なにせ、恐竜の絶滅の時より、今起こっている生物種の絶滅の速度の方が速いというのですから、地球文明の力っていうのはすごいものです。もし、進んでいるETに会うことができたら、どうやってこの問題を克服してきたのか聞いてみたいものですね。